コンピュータゲームを遊んでいると、よく「1/256の確率でレアアイテムを落とす」とか 「1/32の確率で起こる隠しイベント」なんていうものが出てきます。 これらは総じて起こる確率が低く設定されており、プレイヤーの運によって左右される出来事です。 リアルラックという奴ですね。 当然、簡単にはお目にかかれないので、何度も何度も繰り返しチャレンジするわけですが…
一体、どのくらいチャレンジすれば成功するのでしょうか?
確率の問題として見ると
「1/nで成功する出来事にk回チャレンジして、少なくとも1度は成功する確率」を求めたいわけです。
"少なくとも1度は成功する"とは"1度も成功しなかった"の余事象ですから、求める確率Pは次のように求めることができます。
P = 1 - ( n-1/n ) ^ k
チャレンジ回数k | |||||
---|---|---|---|---|---|
確率1/n | n/2回 | n回 | 2n回 | 3n回 | 4n回 |
2 | 50.0% | 75.0% | 93.8% | 98.4% | 99.6% |
4 | 43.8% | 68.4% | 90.0% | 96.8% | 99.0% |
8 | 41.4% | 65.6% | 88.2% | 95.9% | 98.6% |
16 | 40.3% | 64.4% | 87.3% | 95.5% | 98.4% |
32 | 39.8% | 63.8% | 86.9% | 95.3% | 98.3% |
64 | 39.6% | 63.5% | 86.7% | 95.1% | 98.2% |
256 | 39.4% | 63.3% | 86.5% | 95.1% | 98.2% |
1024 | 39.4% | 63.2% | 86.5% | 95.0% | 98.2% |
4096 | 39.4% | 63.2% | 86.5% | 95.0% | 98.2% |
16384 | 39.3% | 63.2% | 86.5% | 95.0% | 98.2% |
65536 | 39.3% | 63.2% | 86.5% | 95.0% | 98.2% |
つまり、確率が1/32であれば64回チャレンジすればだいたい起こります。 運がよければ16回でも32回でも成功しますが、運が悪ければ128回必要かもしれません。
ところで、表を見れば一目瞭然ですが、nがいくらの値であってもn回行えば63%ぐらいの確率で成功します。 nが大きくなると表の変動が小さくなるのは、n-1/nの-1という数字の影響が薄くなるからです。
さきほどまでは"少なくとも一度"の例で、何度成功するかは考えていませんでした。 実は確率1/nの行為をn回行って成功する回数の期待値は1です。2n回行えば期待値は2になります。 つまり、2n回のチャレンジで最も起こりやすい結果は2度成功です。
にもかかわらず、1度も成功しないことがあるのは何故でしょうか? 答えは簡単ですね。3度以上成功することがあるからです。